【電気化学療法の実例】猫の肉腫NOS
千葉県習志野市奏の杜/津田沼/谷津の『奏の杜どうぶつ病院』院長の愛宕です。
今回は電気化学療法を受けて腫瘍の治療をがんばっているネコちゃんをご紹介します。
プロフィール
9歳/Mix猫/避妊済みの女の子
主訴
指にしこり
経過
身体検査にて右前肢第2指に直径1.5cm大の腫瘤(しこり)を形成していました。
レントゲン検査にて腫瘤近くの骨の融解を認め、細胞診検査では悪性間葉系腫瘍が疑われたため、確定診断のために腫瘤とともに右前肢第2指を切除しました(断指術)。
診断
肉腫NOS
一般に悪性腫瘍の場合は、肉眼で確認できる腫瘤を切除するだけでは目に見えない腫瘍細胞(顕微鏡的病変)が残ってしまうことが多く、この猫ちゃんも残念ながら病理組織検査で切除縁に腫瘍細胞を認めたことから、今後の再発が強く懸念される状態でした。
こういった場合には拡大切除といい、再手術でさらに広い範囲を切除することが一般的です。
しかし、今回のように四肢端にできた腫瘍を拡大切除する場合、断脚術等、その足の歩行機能を失ってしまう手術が必要になることが多いです。
そこで今回は足の機能を温存した状態で腫瘍の再発を防ぐため、再手術はおこなわずに電気化学療法で残存する腫瘍細胞を破壊する方法を選択しました。
治療経過

電気化学療法をおこなう前の患部の写真です。
手術の傷はキレイに癒合しており、一見すると腫瘍細胞が残っているようには見えない状態でした。

電気化学療法ではブレオマイシンという抗がん剤を投与したあとに、特殊な電極を用いて腫瘍が存在する部位に電圧をかけていきます。

1回目の電気化学療法の施術から2週間後の写真です。
電気化学療法の副作用である皮膚の炎症や浮腫はほとんど起きず、念のために処方した痛み止めも使わずに過ごせていました。
2回目の施術をおこない、電気化学療法での局所治療を一旦終了としました。
2回目の施術でも、幸いにも副作用は全くといっていいほどありませんでした。
今後も定期的に再発や転移の有無を確認していく必要はありますが、4本の足を使って元気に歩いている姿を見ると、断脚をせずに済んでとても良かったと思います。
今回の猫ちゃんのように、電気化学療法は手術後の再発予防策としても利用可能です。
電気化学療法について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
電気化学療法についてのお問い合わせはお電話で承ります。
奏の杜どうぶつ病院
〒275-0028 千葉県習志野市奏の杜2-4-1
TEL:047-411-4808
