予防

PREVENTION

わんちゃんの予防

わんちゃんをさまざまな病気から守るためには、狂犬病ワクチン、混合ワクチン、フィラリア予防の接種などが欠かせません。また定期的な健康診断、避妊・去勢手術なども重要です。

混合ワクチン

混合ワクチンで予防できる伝染病は、わんちゃんの健康に大きな脅威となるものばかりです。
当院では、5種混合と7種混合のワクチンを準備しております。特に、お散歩で他の動物と触れ合う機会が多いわんちゃんには、7種混合ワクチンがより適しています。
万が一の副反応に備えて、遅い時間の接種はできるだけ避けましょう(午前中の接種をおすすめしております)。

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病気名 症状 5種
ワクチン
7種
ワクチン
ジステンパー ジステンパーウイルスは、鼻水や目やに、尿などに含まれて拡散します。
発熱や下痢、鼻炎、結膜炎、消化器障害などの症状を引き起こします。時には神経症状を伴うこともあります。
犬パルボウイルス感染症 犬パルボウイルス感染症は、激しい消化器症状を引き起こす感染症です。下痢や嘔吐が特徴的で、食欲不振と脱水を伴います。
特に子犬では、心筋炎型により突然死のリスクもあるため注意が必要です。
犬伝染性肝炎 犬伝染性肝炎は、下痢や嘔吐、食欲不振などの症状に加え、肝臓の炎症を引き起こすのが特徴です。
犬アデノウイルス1型による感染症で、便や尿、唾液などを介して経口感染します。
犬アデノウイルス感染症 犬アデノウイルス2型による感染症は、ケンネルコフ(犬舎咳)の原因の一つとして知られています。主な症状は咳で、呼吸器系の疾患を引き起こします。
犬パラインフルエンザウイルス感染症 犬パラインフルエンザウイルス感染症では、咳や鼻水などの風邪に似た症状がみられます。
感染犬が咳をすることでウイルスが拡散し、混合感染や二次感染を引き起こすリスクが高まります。
犬レプトスピラ病
(カニコーラ型)
(イクテロヘモラジー型)
犬レプトスピラ病は、レプトスピラ属の細菌により、腎臓や肝臓に炎症を引き起こす感染症です。
発熱、食欲不振、嘔吐、血便、腎臓の腫れなどがみられ、重症化すると死に至ることもあります。
感染経路は、汚染された水の摂取や、感染犬の尿との接触などです。

狂犬病ワクチン

狂犬病は、人獣共通感染症の中でも特に恐ろしい病気です。発症するとほぼ100%死に至るため、予防が絶対に欠かせません。近年の発生は報告されていませんが、海外では今なお多くの犠牲者が出ています。
日本では、狂犬病予防法により、生後91日以上の犬に対して年1回の狂犬病予防注射が義務付けられています。予防注射を受ける際は、市区町村への登録も必要です。当院では、習志野市、船橋市への登録の代行が可能です。
飼い主の責任として、法律を遵守し、愛犬の健康を守るとともに、社会の安全に貢献することが求められます。
※混合ワクチンと同様、午前中の接種をおすすめしております。

フィラリア予防

フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫による感染症です。感染すると、成虫が肺動脈や心臓に寄生し、重症化すると死に至ることもある恐ろしい病気です。
予防には、蚊の活動期間中に予防薬を投与する必要があります。
予防を始める前には、フィラリア検査を行い、感染の有無を確認することが大切です。
フィラリア薬は数種類ご用意してます。また、ノミ・マダニの予防もできるオールインワンタイプもご用意しております。

ノミ・マダニ予防

ノミやマダニは、皮膚炎などを引き起こすだけでなく、重大な感染症を媒介することもあります。特に近年では、人に感染すると高い致死率をもたらすSFTSウイルスの問題も懸念されています。 ノミ・マダニは比較的温暖な環境を好むため、季節を問わず活動することがあります。室内飼育の愛犬の場合は、年間を通した予防が重要です。 感染経路は、草むらや他のわんちゃんねこちゃんからが多いです。
寄生すると、痒み、アレルギー性皮膚炎、吸血による貧血、ノミが媒介する瓜実条虫(サナダムシ)やマダニが媒介するバベシア症などの疾患を発症することもあります。

ねこちゃんの予防

ねこちゃんの健康を守るためには、感染症予防と寄生虫対策が欠かせません。ここでは、混合ワクチンとフィラリア予防、ノミ・マダニ予防について詳しく説明します。

混合ワクチン

ねこちゃんのウイルス感染症には、ワクチンによる予防が効果的です。特に子猫の時期に感染すると重症化しやすい病気もあるため、早期からの接種を欠かさないようにしましょう。
当院では、猫汎白血球減少症、猫伝染性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症などを予防する3種混合ワクチンを推奨しています。成猫の場合は、年に1回の追加接種が必要です。

病気名 症状
猫汎白血球減少症 猫パルボウイルスによる感染症で、主に子猫で重症化しやすい病気です。症状は高熱、嘔吐、下痢、白血球の減少など多岐にわたります。重症化すると、脱水や二次感染を引き起こし、命に関わることもあるため、注意が必要です。
猫伝染性鼻気管炎 猫ヘルペスウイルスによる呼吸器感染症で、上部気道炎を引き起こします。くしゃみ、鼻水、結膜炎、角膜炎などの症状がみられます。ウイルスは神経に潜伏感染するため、ストレスなどで再活性化し、再発することがあります。
猫カリシウイルス感染症 猫カリシウイルスによる感染症で、上部気道炎や口内炎を引き起こします。くしゃみ、鼻水、発熱、口内の潰瘍などが特徴的な症状です。重症化すると肺炎を併発することもあります。

フィラリア予防

ねこちゃんのフィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫によって引き起こされます。感染すると、心臓や肺動脈に成虫が寄生し、重症化すると命に関わる危険性があります。ねこちゃんのフィラリア症に対する確立した治療法はありません。そのため、予防が何より大切です。
当院では、ノミ・マダニと一緒にオールインワンタイプのもので月1回予防されることをおすすめしています。

ノミ・マダニ予防

ねこちゃんは、ノミアレルギー性皮膚炎を起こしやすく、強い痒みに悩まされることがあります。また、ノミが媒介する条虫や、マダニが媒介するヘモプラズマ感染症なども危険な寄生虫と言えます。
さらに近年では、マダニが媒介するSFTSウイルスが人獣共通感染症として問題となっています。
ノミ・マダニは比較的温暖な環境を好み、13℃以上の気温で活動が可能なため、室内飼育の場合は年間を通した予防が必要です。

予防(共通)

マイクロチップ

マイクロチップは、直径2mm、長さ8-12mm程度の円筒形のもので、15桁の識別番号が登録された電子標識器具です。マイクロチップの識別番号には、飼い主様の情報やわんちゃんねこちゃんの情報が登録されています。大切なわんちゃんやねこちゃんが迷子になったり、災害時に離散したりした際に、その子の身分証明書となってくれます。
2022年の動物愛護法改正により、ペットショップでの販売時のマイクロチップ装着が義務化されました。ただ、飼い主様には努力義務となっている状況です。
万が一、愛犬や愛猫が行方不明になっても、保護された際にマイクロチップを読み取ることで、迅速に飼い主様のもとに戻ることができるので、当院ではマイクロチップの装着をおすすめしています。

健康診断(ドッグドック・キャットドック)

定期的な健康診断は、ペットの健康を守るために欠かせません。なぜなら、愛犬・愛猫は、人間よりもはるかに速いスピードで成長し、老いていくからです。
そこで当院では、ドッグドックとキャットドックという健康診断プログラムをご用意しています。身体検査と血液検査を行い、獣医師が結果をもとに気をつけるべきことを記載した報告書を作成し、ご郵送します。
健康時の検査データを蓄積することで、万が一の異変を早期に発見し、適切な治療を行えるので、健康寿命を延ばす効果が期待できます。
若い時は年1回、シニア期に入ったら年2回の健診を受けることで、病気の早期発見と予防に役立ちます。

ドッグ・キャットドックへ

去勢手術・避妊手術

去勢手術・避妊手術は、望まぬ妊娠を防ぐだけではなく、将来の病気予防の観点から推奨されています。
手術は身体検査と血液検査を実施し、明らかな異常がないことを確認した上で全身麻酔下で実施します。去勢手術では精巣を、避妊手術では卵巣と子宮を摘出します。
当院では、生後6ヶ月以降(女の子の場合は初回発情前)の手術を推奨しております。

Merit

  • 問題行動(マーキング、攻撃性、過度の吠えなど)の改善
  • 男性ホルモン関連の健康問題(会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、精巣腫瘍、前立腺疾患など)の予防
  • ストレスの軽減

Demerit

  • 術後の体重管理の必要性
  • まれな合併症(縫合部位の炎症、尿失禁など)
  • 麻酔や手術自体のリスク

Merit

  • 乳腺腫瘍の発症リスクの減少(特に初回発情前の手術が効果的)
  • 女性ホルモン関連疾患(卵巣嚢腫、子宮蓄膿症など)の予防
  • 発情に伴うストレスや行動変化の防止

Demerit

  • 術後の体重管理の重要性
  • まれな術後合併症(縫合部位の炎症、尿失禁など)
  • 麻酔や手術自体のリスク