僧帽弁閉鎖不全症について
■どんな病気?
僧帽弁閉鎖不全症は、高齢の小型犬に多く見られる心臓病です。心臓の中にある4つの弁のうち、僧帽弁という弁がうまく機能しなくなります。すると、心臓内で血液が逆流し、心臓が大きくなったり肺のうっ血が起きたりします。その結果、心不全や肺水腫になり、咳や呼吸困難を引き起こします。
■かかりやすい犬種
マルチーズ、シーズー、ポメラニアン、プードル、チワワ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
そのほか、高齢になるとあらゆる犬種で発生する可能性があります。
■症状
咳、疲れやすい、運動をしなくなってきた、食欲不振、呼吸が浅く、よくハアハアしている
重度の場合:舌が紫色、息苦しく横になって眠れない、失神する、腹水がたまる
■検査・治療
上記のような症状や、聴診で心臓の音に雑音が認められた場合、レントゲンや超音波検査で心臓の大きさや僧帽弁で血液の逆流があるかを確認します。
この病気は完治することがないため、診断されたら一生涯の投薬治療が必要です。症状が進行していくと、症状に併せて薬の種類が増えていきます。また、肺水腫などで呼吸困難に陥っている場合には、点滴や酸素吸入などの集中治療が必要です。
この病気は、初期の段階では心雑音があっても無症状のことが多く、なかには発見が遅れて突然ひどい肺水腫になり、手遅れになるケースもあります。しかし、早めに病気を発見し治療を始めれば、寿命をのばしてあげることができます。そのため、定期的な健診が重要です。